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これが,携帯電話向けオンラインストレージサービス「MYUTA」は著作権を侵害するものであるとして,差止請求不存在確認の訴えを棄却した東京地判平成19年05月25日(事件番号平成18(ワ)10166;なお,別紙〔PDF〕も参照)の判決文に目を通しての感想です。
以下では,まず,なぜオンラインストレージサービスが著作権侵害とされうるのか,本判決がMYUTAを著作権侵害とした理由は何か,そして,他のオンラインストレージサービスも違法になるのか,これが違法とされてよいのか,を順次検討していきたいと思います。
ネットでの反応──判決文を読みましたか?
この判決をセンセーショナルに報じた「ネット上にデータを保存するサービスはすべて著作権侵害で違法です」(GIGAZINE)という記事は,全くの誤り(マス・メディアでいえば,曲解に基づく偏向報道)であると思います。MSN毎日インタラクティブの記事から,GIGAZINEのいうようなことは読み取れません。この報道のみに依拠して(関連事項ではなく)本判決への批評をした論考は,結論の肯定否定を問わず,軽率であったと言うべきでしょう(例えば,栗原潔「副作用が大きすぎるストレージ・サービス違法判決」)。
なぜ判決文を検討しないで判決の射程を論じられるのか,信じ難いことです。GIGAZINEの記事が公開された時点では判決文の全文は裁判所のウェブサイトにもアップロードされていなかったように思います。仮に,この記事を書かれた方が判決文を参照されていたとすれば,いよいよ偏向報道との誹りを免れないように思います。
なぜオンラインストレージサービスが違法とされたのか。
本判決で問題とされた行為は,(1)専用のユーザーソフトでユーザのPC内に作成された3G2ファイルをサーバへアップロードする行為と,(2)アップロードされたデータをサーバから携帯電話にダウンロードさせる行為の2つです(その他の複製や,送信可能化についても原告被告は主張を行っていますが,判決では触れる必要がないため,触れられていません)。
(1)の行為は,「複製」であり,通常,複製権(著作権法21条)の侵害となります。「複製」が行われていることについて,原告,被告に争いはありません。
(2)の行為は,自動公衆送信に該当するとすれば,自動公衆送信権(著作権法23条1項)の侵害となりうる行為です。原告(ストレージサービス業者:イメージシティ)は,「公衆」(不特定又は特定多数人の者)に対する送信ではないとして,自動公衆送信権侵害にはあたらないという主張をしています。この主張が,この裁判における主な争点の一つです。
(1)(2)の行為が権利侵害であるとしても,原告(イメージシティ)に対する差止請求が認められるためには,原告が(1)(2)の行為を実行している者(利用行為主体)でなければなりません(投石をやめさせるには,石を投げている人に働き掛けなければならない,ということ)。
裁判所は,(1)(2)どちらの行為についても権利侵害を認めました。そして,その前提として,どちらの行為についても,原告(イメージシティ)が利用行為主体であることを認めています。もっとも,(1)の行為を理由とした差止請求が認められるとしている以上,(2)の行為についての判断は「傍論」ということになります。
以上について,より詳しく,かつ分かり易く論じられたものとして,「ストレージの利用がなぜ著作権侵害なのか」(ナガブロ)があります。
利用行為主体が大切
複製・自動公衆送信をした者といえるかどうか,つまり利用行為主体はだれか,という問題について,しばしば言及されるのが『カラオケ法理』です(現在は附則14条の削除によりカラオケの事件についてこの法理を適用するまでもありませんから,「カラオケ」という呼称は便宜上のものに過ぎません)。
最高裁としてこれを認めたクラブ・キャッツアイ事件判決(最判昭和63年3月15日民集42巻3号199頁)が有名ですが,あくまで事例判断であり,個別の事案ごとに行為主体性を判断するのが基本です。最高裁判例も,物理的な意味で行為していないからといって行為主体性が常に否定されるわけではない,ということをいったに過ぎず,「法理」という言い方には違和感を覚えます。
MYUTAの利用行為主体は誰か
ともかくも,前述の通り,本判決は(1)複製についても,(2)自動公衆送信についても,原告(イメージシティ)が行為主体であるとしました。具体的に見ていきましょう。
先ず,(1)複製行為の主体が原告(イメージシティ)であることを認定するに当って,目的,行為の内容,サーバの役割,ユーザの役割,有償性を問題とした上で,特に以下の事実を考慮しています(原文では改行なし)。
1 原告の提供しようとする本件サービスは,パソコンと携帯電話のインターネット接続環境を有するユーザを対象として,CD等の楽曲を自己の携帯電話で聴くことができるようにするものであり,本件サービスの説明図4の過程において,複製行為が不可避的であって,本件サーバに3G2ファイルを蔵置する複製行為は,本件サービスにおいて極めて重要なプロセスと位置付けられること,このことに照らして,
2 本件サービスにおいて,3G2ファイルの蔵置及び携帯電話への送信等中心的役割を果たす本件サーバは,原告がこれを所有し,その支配下に設置して管理してきたこと,
3 原告は,本件サービスを利用するに必要不可欠な本件ユーザソフトを作成して提供し,本件ユーザソフトは,本件サーバとインターネット回線を介して連動している状態において,本件サーバの認証を受けなければ作動しないようになっていること,
4 本件サーバにおける3G2ファイルの複製は,上記のような本件ユーザソフトがユーザのパソコン内で起動され,本件サーバ内の本件ストレージソフトとインターネット回線を介して連動した状態で機能するように,原告によってシステム設計されたものであること,
5 ユーザが個人レベルでCD等の楽曲の音源データを携帯電話で利用することは,技術的に相当程度困難であり,本件サービスにおける本件サーバのストレージのような携帯電話にダウンロードが可能な形のサイトに音源データを蔵置する複製行為により,初めて可能になること,
6 ユーザは,本件サーバにどの楽曲を複製するか等の操作の端緒となる関与を行うものではあるが,本件サーバにおける音源データの蔵置に不可欠な本件ユーザソフトの仕様や,ストレージでの保存に必要な条件は,原告によって予めシステム設計で決定され,その複製行為は,専ら,原告の管理下にある本件サーバにおいて行われるものであること
本件サーバにおける3G2ファイルの複製行為の主体は,原告というべきであり,ユーザということはできない(よって私的複製ということはできず,複製権侵害が認められる)としました。
特に, サーバへの複製(MP3やWMAをAVIから3G2に返還した上でサーバ上に複製する)の目的について,MYUTAはただ単にデータを保存するサービスではなく,携帯電話へのデータ取り込みの準備段階であること,データを再生可能な形で携帯電話に取り込むことは困難であること(それをMYUTAが可能にしていること),ゆえにサーバへの複製行為がMYUTAの中でも極めて重要なプロセスであることを指摘していることが,他のオンラインストレージサービスとの違いとして注目されましょう。
(2)自動公衆送信の行為主体性についても,ほぼ同様の考慮要素から,原告(イメージシティ)であることを認めています。
自動公衆送信に該当するか
次に,自動公衆送信についてですが,ここでは行為主体性に加えて,そもそも自動公衆送信といえるのかどうか,という問題があります。
本判決で自動公衆送信といえるかどうかが争われたのは,ユーザが専用ソフトを使ってサーバにアップロードした3G2音源データを,ユーザの求めに応じて,ユーザの携帯電話に送信する(ダウンロードさせる)行為です。
自動公衆送信という場合の「公衆」とは,不特定の者又は特定多数の者を意味します。そこで原告は,アップロードしたデータの送信を受けることができる(ダウンロードできる)のはアップロードしたユーザのみに限定されているMYUTAは,自動「公衆」送信ではないとの主張を行いました。
しかし,本判決は,このような考え方をとりませんでした。サーバからの送信を受けるのは「ユーザ」に限定されていますが,会員登録をすれば誰でもこの「ユーザ」になることができるため,不特定の者であることに変わりはないからです。
もっとも,複製権侵害を認めている以上,差止請求権不存在確認の訴えを棄却するために必要最小限の理由は既に示されているのであって,自動公衆送信に関する判示は傍論に過ぎないものであることは,前述した通りです。
他のオンラインストレージサービスも違法なのか
さて,いま最も話題になっているのが,この判決の射程,つまり,他のオンラインストレージサービスも著作権侵害とされるのか,ということです。
結論から言って,オンラインストレージサービスであることだけから,著作権侵害とされることはないでしょう。
本判決は,上述した通り,サービスを提供する原告(イメージシティ)の管理・支配性が強いことを理由としてその行為主体性を認め,権利侵害を肯定したものです。
例えば,Yahoo!JAPANの提供するブリーフケース(詳細)を例に考えてみます。
ブリーフケースは,ネットを介してファイルをサーバに保存するという点で,著作権侵害とされたMYUTAと類似します。認証を必要とすることや,原則としてファイルをアップロードした本人にしかダウンロードできないことも同じです。しかし,その利用のために専用のソフトウェアを利用しなければならないわけではありません。
コインロッカーとの違い
また,本判決は,MYUTAが,ただ単にデータをストレージへ保存するサービスではないこと,つまり,一般のユーザでは困難な,『自己所有の音源データを携帯電話にダウンロード可能な状態にして複製すること』を捉えて,権利侵害を認めていることに注目すべきです。
原告は,MYUTAを銀行の貸金庫に喩えて正当化しようとしました。ネット上では,MYUTAをコインロッカーに喩えるものがありましたが,ほぼ同じ考え方であると思います。確かに,『自分の物』を自分が借りた場所に預けた場合に,その「預ける」という行為が違法であると言われ,しかも,「預ける」という行為をしたのはコインロッカーの管理者であるとされるのは,おかしなことのように思われます。
これに対して被告(JASRAC)は,MYUTAをダビング屋に喩えました。本判決も,同様の発想であると思います。CDをダビング屋に預ける場合,ダビング(複製)を依頼したのは顧客ですが,ダビングしているのはダビング屋であり,たとえ田中さんの依頼で作成したコピーは田中さんにしか引渡さないとしても,田中さんが自宅のPCでCDを複製した場合(複製ではあるが私的複製であって例外的に許容される)と同じように考えることはできない,という主張です。
本判決が後者の立場を採った理由として,あくまで複製が行われていることに変わりはないこと(コインロッカーに物を入れても複製されるわけではない),その複製は複製それ自体として捉えるべきでなく,サービス全体の中で重要な位置を占めていること,複製行為が専ら原告(イメージシティ)の管理下で行われていること(ダビング屋にダビングを依頼してCDを引渡せば,あとは顧客の関係しないところでダビングが行われるように,ユーザが携帯電話に取込みたいデータを選択して専用アプリケーションに引渡せば,あとは原告の管理下で返還・複製が行われること)を挙げています。
この点,Yahoo!のブリーフケースは,データを,そのままの状態で,単に保存することを直接の目的としています。
また,これは被告(JASRAC)が主張したものの判決では直接言及されていないことですが,アップロードされるデータが専らJASRACの管理する著作物であることを原告(イメージシティ)が重々承知していたことも,異なる点です(例外は,自作自演の楽曲を携帯電話にダウンロードすることなど極々限られる)。
違法としてよいのか
以上の次第で,私は,本判決は不当判決とはいえない(致し方ない)と考えます。が,果たしてこのままで良いのか,という問題は残ります。
自分で料金を支払って購入し,又は借りたCDに入っている音源データは,自分で同使おうが自由ではないか,という主張も,気持ちとしてはよく分かります。その方が便利で楽しいですしね。
しかしながら,複製が行われていることはまぎれもない事実です。そしてこの複製によって,「着うた」と同様のサービスが受けられるということになれば,著作権者にとっては著作権料をとれるところが一つ減ってしまうわけで,多少なりとも打撃になるでしょう。その結果,そもそものCDの価格やレンタル料が高騰する結果になると思われます。
経済的事情はともかく,仮にMYUTAの様なサービスを著作権と抵触することなく正当化したいのならば,法改正しかないのではないでしょうか。フェアユースのような一般規定を設けることも,今後検討されるべきであるともいます(しかしMYUTAをフェアユースで正当化できるかどうかは,かなり問題です)。
追記
このエントリの中で言及した栗原氏が,判決文に目を通した上で新たな記事を投稿されています。これに関連して,補足的な記事を執筆しました。宜しければ,ご覧下さい。
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はじめましてgigazineから来ました。
私は法律に関する知識はあまりないので間違っているかもしれませんが
判決文の
”3
争点(2)ア(自動公衆送信権)について”の”(2)
自動公衆送信行為の該当性について”
が成り立つのならば、どんなストレージサービスも”自動公衆送信行為”を行っていることになると思うのですが、違うのですか?
此処だけ見るとすべてのストレージが違法というのは納得できる気がしますが、どうなのでしょうか?
基本的に著作権法が時代に追いついていないという話はよく聞きますね。
たしかに、デジタルミレニアム著作権法のような方向”ではない”法改正が必要だと思います。
できれば著作人格権所持者の意向をきちんと反映できる形で。
(私は着うた自体かなりセコイ商売だ、と思っているのでMYUTAはあっても良いと思うのですが...
データ形式がケイタイ用というだけで
自分が持っている曲でも試聴もできず移動もできないデータに数百円取られるというのがなんとも)
2007.05.30 21:52 URL | ct #hQXOLSL6 [ 編集 ]
コメント有り難うございます。
オンラインストレージサービスはおよそダウンロードを伴うものですから,ご指摘の点は重大であると思います。
しかし,先ず,本判決はあくまでMYUTAというオンラインストレージサービスについての判断に過ぎないことと,自動公衆送信にかかる部分は傍論であることは,強調されてよいと思います。
次に,これが本論ですが,他のオンラインストレージサービスについて,この判決の理論によるとしても,行為主体がユーザとされることによって,サービス提供社に対する差止請求は封じられる,ということになるかと思います。
つまり,ご指摘の点のみを見ればオンラインストレージサービス全般が違法とされかねないようにも見えますが,その前提としての行為主体が誰かというの部分で,問題は解決され,サービスそれ自体は適法である(差止請求を受けない)とされるのではないか,ということです。
その場合,ユーザによる自動公衆送信が問題となるわけですが,これは自動公衆送信をする者,つまりユーザから見て「公衆」とはいえない自分自身に対する送信ないし送信可能化であることから,自動公衆送信権侵害にはあたらない,と私は考えます。
2007.05.31 01:25 URL | kiyosakari(管理人) #- [ 編集 ]
素人目にみて違和感がありますね。
ロッカーとその他サービスをごちゃ混ぜにして考えるのは、多少ビジネス感覚があれば「ちょっと待て」となるでしょう。こういった問題はきちん整理して進めていってもらいたいですね。
この社会の現状を考えたらサーバはただのインフラ足りうるものです。
サーバ運営側はコンプライアンスやITに関する社内の統制等が図られていれば、ユーザーの使用は問題がないはずで、その類の話がないのが気になりますね。
そうした感覚があればダビング屋という発想も粗が見えてきます。
JASRACは総じて訴訟問題は露骨ですから、音楽以外でこのような問題は出てこないと思いますが、まあなにやってんだかて感じですね。
こうした問題は多々ありますが、どっちもどっちでなんとでもいえますからね、基本的には話にならなくなる。
自分はいつも法務関係の論点よりも、あきれるのはどちらかで判断してます。
2007.06.02 11:04 URL | くえあ #.xMUio8I [ 編集 ]
くえあさん
私も,その「違和感」は共有できていると思います。ネットの普及を前提とした知的財産法の整備が急務と言えそうです(最近公表された「知財推進計画2007」には目を通していないのですが,そうしたものが反映されているのかどうか,気になるところです)。そのためにも,この判決(ましてや判事個人)の批判に終始するのではなく,法改正という方向で議論を進めていくのが建設的であると考えています。
2007.06.03 00:22 URL | kiyosakari(管理人) #- [ 編集 ]
はじめまして、「企業法務戦士の雑感」から来ました。
今回の件、このサービスが公衆送信権に抵触することは避けられないように思います。このサービスが公衆送信権に抵触しないとなると、会員制オンライン配信サービスすべてが、著作権法が適用されないように想うわけです。
ただ、「不特定のサービス」だから「公衆」としたのがちょっとわかりません。納得できなくはないですが、だまされたような感じも受けます。「特定多数」が相手のサービスだから「公衆」なんだとした方がわかりやすいようにも思います。
2007.06.03 00:55 URL | bn2islander #aYDccP8M [ 編集 ]
あと、本サービスの場合、ユーザー固有の領域と言うのは存在しないようですから、貸金庫と言うより、ホテルのクロークの例えの方がわかりやすいですね。
貸金庫ではユーザーが管理するわけですが、クロークはホテル側が管理しているわけで、その意味でも私的複製は成立しないと考えた方が自然なように思います。
2007.06.03 00:58 URL | bn2islander #aYDccP8M [ 編集 ]
bn2islanderさん
コメント,有り難うございます。
>「特定多数」が相手のサービスだから「公衆」なんだとした方がわかりやすいようにも思います。
確かに,そのような捉え方もできそうですね。判決はMYUTAというサービスを一体として捉えているようなので,不特定の者を相手とするが故に「公衆」としているように思います。
クロークの例も,その通りであると思います。原告としては,1対1のサービスであるという主張で公衆送信権侵害ではないとの立論をしたため,「クローク類似である」とは言えないでしょうけれども…。
2007.06.04 01:23 URL | kiyosakari(管理人) #- [ 編集 ]
>「特定多数」が相手のサービスだから「公衆」なんだとした方がわかりやすいように思います。
→個々の著作物ごとに訴訟物が異なる以上、「公衆」に送信した(送信可能化した)かどうかは特定の著作物との関係で考えるべきであると考えられます。そうすると、本サービスでは、特定の著作物との関係では、1名にしか送信されない以上、「多数」に送信した(送信可能化した)と考えることはできないと思われます。
2007.06.05 19:37 URL | こりき #ClisE3eo [ 編集 ]
こりきさん
コメント有り難うございます。直接的にはbn2islanderさんへのコメントなのかも知れませんが,私もコメントさせて頂きます。
「個々の著作物ごとに訴訟物が異なる」ことを根拠とされている趣旨は,差止請求権の範囲・個数は著作物の範囲・個数によって(も)限定されるという意味でしょうか。一つの著作物に複数の差止請求権が成立することも(旧訴訟物理論に従えば)あり得るので,端的に,公衆送信という利用行為の対象は,個々の著作物であることを意味されているのでしょうか。
それはともかく,著作物を基準に考えること,それによれば「多数」とは言えない場合があるとのご指摘は,なるほどと思いました。勉強になります。
「多数」への送信と捉えることができる場合もあるようには思いますが(例えば,同じ楽曲を,多数の人が別個バラバラにMYUTAを使って携帯電話に取込もうとする場合,個別の著作権に着目しても,「多数」であるが故に「公衆」への送信であるということができると思います),そうした場合であっても,判決が言う意味での「不特定」であることには変わりがないので,差止請求権の不存在確認訴訟である本件において公衆送信権侵害(のおそれ)を認めるためには,本判決のように,「不特定」であることをもって「公衆」と構成するしかないのでしょうね。
2007.06.07 01:15 URL | kiyosakari(管理人) #- [ 編集 ]
>こりきさん
MYUTAサービスでは、特定の著作物をダウンロードできるのは、一人のユーザーだけですよね。
「個々の著作物」という観点から見ると、「特定少数」のユーザーに対してのサービスと考えることも可能であり、著作権法の適用外と解釈する事ができるのではないでしょうか(この裁判を批判する意見も、この観点に立った主張かと思われます)
ただ、MYUTAサービスは基本的に登録制であり、MYUTAの会員登録時の情報だけではユーザーを特定することが出来ないと、裁判所が解釈したのかもしれません。その意味で不特定としたのであれば、納得できます。
2007.06.09 10:47 URL | bn2islander #- [ 編集 ]
いまさらですが、小倉弁護士による以下の解説によると、
http://benli.cocolog-nifty.com/benli/2007/05/post_d10e.html
> 「1人でも公衆」はカラオケボックスに関するビッグエコー事件地裁判決が援用される危険が高い
そうです。一方で、同弁護士は、以下のエントリにおいて、
http://benli.cocolog-nifty.com/benli/2006/08/post_9f4d.html
> 加戸守行『著作権法逐条講義[第5版]』の70頁は「行為者との間に個人的な結合関係が
> あるものを指」すとするのですが,そのように定義する根拠は記されていないし,...
とした上で、
> 濃密な個人的な結合関係(親族関係等)があることまでも必要としないものと解するべきです。
と指摘されています。
ところで、
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0706/12/news088.html
によれば、フェアユースのある米国でも類似の構造を持つサービスに違法判決が下されたようです。
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