以前,池野氏に反論した。
池野氏が
賛否両論を浴びた(注)池野徹氏の論考「レイプ事件、「一番ワルい」のは誰だ。」について,私は,「池野氏の真意を探る。」というエントリを書いて,その問題点を指摘しました。
注:残念ながら私は賛否の「否」にあたる意見しか目にすることがなかったのですが。
そこでの主たる主張は,
池野氏自身の価値観・ものの見方を過度に一般化しており,その結果,(潜在的)被害者に不可能を強いる提案しかできていない。
というものでした。
解答:「池野氏の真意」
先頃,池野氏は,「「レイプ犯には、レイプされなさい。」歌手、綾戸智恵の母は言った。」という論考をPJに掲載しました(注)。
注:当該論考の内容を要約すると,ジャズシンガーの綾戸智恵氏が渡米する際に母親が述べた「レイプ犯には、レイプされなさい。」という言葉には,以前池野氏が,『電車内で強姦された被害者である女性がワルい』と述べた言葉と同じく,『女性は意識と覚悟
を持つべき』というメッセージが込められている,というものです。
その論考において,池野氏は,冒頭に掲げた論考「レイプ事件、「一番ワルい」のは誰だ。」の趣旨を以下のように説明しています。
私は昨年、記事で「レイプ事件、「一番ワルい」のは誰だ。」を書いて、賛否両論を浴びた経験がある。走る列車内でレイプされた女性が悪いと言ったのだ。理由は勇気を持って危険を拒否するか、乗客らに知らせる事ができたはずなのにと、女性の行動、自立心を鼓舞したものだった。出来もしないことを言われても
自立心が
鼓舞されるかどうか,実に疑問です。
解答:池野氏のいう「ワルい」
また私は,池野氏の言う「ワルい」を内在的に理解しようと努め,その意味することは因果関係であるとしたのですが,以下に引用する記述からすると,的外れだったようです。
しかし、この「レイプされなさい」の言葉から言うと、この女性はレイプされたが生きており、自ら命は守った訳で、この女性は「悪くなかった」事になるのである。結局,池野氏の言う「ワルい」「悪い」は,『自己の価値観に合致しない』という意味であったようです。
上述の通り,私は池野氏の論考が,自己の価値観を過度に一般化している(『自分の価値観が万人に受けいられているか,あるいは受け入れられて当然である』と考えている)と批判しました。この「ワルい」の用法は,まさにそれであると思います。
遅れてきた啓蒙思想家
つまるところ池野氏は,『人間は,心構えさえしていれば,いつ何時も人間らしい判断・行動ができる』と考えているようです。
是非そうありたいものですが,そうでないことは自明のことでしょう。
池野氏が17世紀ヨーロッパに生まれていれば,人間の理性に賭ける啓蒙主義の使徒として活躍していたのかも知れません。
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